わくラボが活用しているボードゲームの中で特にオススメなものを【わくラボ・ボードゲームアワード】としてご紹介します。
その年に「わくラボの活動の中で」活躍したゲームなので、実際の発売年は関係ありませんし、連続受賞もありえます。
ボードゲームビギナーの方がボードゲームを選ぶ際の参考になれば幸いです!
部門の定義
5部門設けています。それぞれの部門の定義は次のとおりです。
なお、同一ゲームが2部門受賞することは無いようにしました。
◆子ども部門
小学生以下の子どもを対象にしています。
評価軸は「ルールが簡単なこと」と「子どもにウケが良いこと」です。
「ルールが簡単なこと」は『さくさく部門』とも重複しますので、「子どもウケが良いこと」を重要視しました。
◆さくさく部門
ルール説明が数分で終わり、子どもから大人まで楽しめるゲームが対象になります。
プレイ時間が5~15分程度のものになります。
友人の家に気軽に持って行って紹介できるような「持ち運びが便利なこと」も評価の対象にしています。
◆わくわく部門
主にボードゲームカフェで活躍したゲームが対象になります。
初めて「ボードゲーム」をやってみたい、という方にオススメのゲームが対象になります。
プレイ時間は30~60分程度になります。
◆じっくり部門
同じくボードゲームカフェで活躍したゲームです。
少しゲームに慣れた方にオススメのゲームで、1プレイ60分前後のゲームが対象です。
◆ワイワイ部門
大人数であそぶ場合に特にオススメなパーティーゲーム部門です。
「大勢であそんでこそ輝く」ゲームを対象としています。
2015年
子ども部門
3位 おばけキャッチ
スピード系ゲーム。
山からお題カードを引いて、カードの中に「あるもの」「ないもの」を判断し、正解のコマを早く獲るゲーム。
シンプルなルールと、頭の体操になるところが優れていますし、何よりコマの可愛さは必見。
小さな子どもには「あるもの」だけにすれば分かりやすいですし、一人遊びが可能なところも良いです。シニアの方の頭の体操になるところも高評価です。
小学校3年生くらいからものすごい速さで取れるようになっていきます。
ただし、瞬発力が問われるため、力の差がハッキリ出てしまうところが玉に瑕。そのため、1位になった人は、次のゲームではカードめくり役をやると良いかもしれません。
2位 レシピ
プレイヤーは各自、1枚だけ「メニューカード」が配られます。
自分が何を作るかができるだけばれないように、具材を集め、料理を完成させたプレイヤーが勝利になります。
絵の可愛さと、「料理を作る」という行為が子ども心をくすぐるらしく、男女問わず大人気のゲームです。
レシピであそぶと、家庭で料理に関心を持つ子どもも多いようで、その点も高評価です。
「レシピ!」で他のプレイヤーからカードを拾った時は、新たにカードを引かないことと、順番が飛ぶ可能性があることをしっかりと理解してもらう必要があります。
なお、15作品の中で唯一の日本産ゲームです。
1位 ヒューゴ
「ミッドナイトパーティー」という30年前のゲームのリメイクです。
お化けのヒューゴから、みんなで逃げ回るというシンプルなゲームですが、サイコロを振ってヒューゴが追いかけてくるスリルは子どもだけでなく大人も楽しめます。
子ども向けのワークショップでは「ヒューゴ!ヒューゴ!」というコールがかかるのも恒例です。
人数が8人まで対応している点も高評価で、どちらかと言えば大人数のほうが楽しめます。
なお、裏面のボードは上級ルールになっており、若干ルールが違うので大人は是非こちらをプレイしてみてください。非常に面白いのでオススメです。
さくさく部門
3位 ワニに乗る?
積み木ゲームです。
ゲームに不慣れそうな方にはまずオススメしています。
「ただの積み木にシステムを加えることでゲームになる」という好事例だと思います。
木製の可愛らしい積み木は癒されますし、木を積む行為は童心に帰れます。
2位 ドブル
同じ絵を見つけて、それを人に押し付けるだけ、というシンプルなルールが最高です。
丸い缶から丸いカードが出てきて、それがゲームというところも驚いてもらえます。
ごちゃごちゃした説明をせずに、いきなり「片手を出してください」とやりながら説明すると一瞬で理解してもらえます。
『子ども部門』でも間違いなく上位なのですが、大人だけであそんでも大盛り上がりできるため、『子ども部門』から『さくさく部門』にしました。
5~8人程度であそぶと楽しいです。
1位 カラスのメモリー
「神経衰弱」と「カルタ」を混ぜたようなゲーム。
ルール説明はなしでいきなりゲームをプレイできるところが素晴らしいです。
神経を衰弱させるため、非常に似通った絵になっているところがとてもいやらしくて好きです。
小さな子どもがあそぶことを踏まえて、タイルが丈夫に作られているところと、タイルの角が丸く切り落とされており、プレイヤーのことを大切に考えているところが1位のポイントです。
絵が水彩画で非常に美しく、大好きなゲームの一つです。
4~6人程度であそぶのがオススメです。
わくわく部門
3位 ベガス
2012年ドイツゲーム大賞ラストノミネート作品です。
サイコロを振って、どの賭場を占拠するかを競い合うゲームです。
8つのサイコロを消費していくペースは個々人の裁量なので、強気な先行逃げ切り型が、じっくり様子見型か、プレイヤーの性格が強く反映されます。
戦略もありますが、最後の最後はサイコロの目なので、8つ目のサイコロがドラマを生んでくれる良いゲームです。
ルールがシンプルで、ゲームも軽いので、少し重いゲームをやった後に、挟むのもオススメです。
2位 カルカソンヌ
2001年ドイツゲーム大賞作品です。
タイルを配置し、まちがニョキニョキと拡がっていくさまは見ているだけでもワクワクします。
考えどころもしっかりとあり、軽いプレイ感ながら、満足度は高い、まさに王道のドイツゲームです。
特に優れていると感じるのは、手番プレイヤーがタイルを引いた場合、他のプレイヤーが善意でアドバイスできることです。手札をさらせない系のゲームではそうはいかない。この点が初心者にも受け入れられやすいポイントだと思います。
なお、わくラボでは、ファーストプレイの場合は、「草原」ルールを抜きにします。得点計算も分からない状態で「草原」はかえって面白みをなくすと思っています。
また、修道院があまりに強いので、事前に1枚ずつ配布し、余った修道院はゲームから除外しています。プレイヤーは任意のタイミングで、タイルを引く代わりに手元の修道院タイルを使用してOKとしています。こちらのルールはバランスを取るために運の要素を減らしていますので是非お試しください。
1位 ディクシット
2010年ドイツゲーム大賞作品。
フランス生まれのオシャレなやつ。コミュニケーションゲームを確立させた超名作です。
未プレイの方は是非一度お試しください。感動すると思います。
ボードゲームが初めての人に紹介して、ゲーム中盤に「ところで、皆さん、これってすごろくゲームなんですよ? お気づきでした?」と言うと、たいていの人は目からウロコで感動してくれます。日本では「すごろく=サイコロを振る」という偏見があるので、こういったすごろくゲームがあることに感動を覚えてもらえます。
友人とプレイすれば友人の意外な一面が見れたり、初対面の人とプレイすれば感性が近い人が見つかったり、と良いこと尽くしなゲームです。
人数は5人か6人でプレイすることをオススメします。ボードを使用せずに得点チップで代用すれば7人でもギリギリ行けます。
年齢は中学生以上を推奨します。
じっくり部門
3位 スカルキング
「ヨーホーホー!」の掛け声が特徴的なトリックテイキングゲーム。
10ラウンド制。初プレイの方には3ラウンド目くらいまでがチュートリアルとして機能するゲームデザイン(序盤はほとんど得点にならない)になっています。
自分でこのラウンドに何トリックを獲得できるかを宣言するというタイプのゲーム。他プレイヤーと単純な勝ち負け以外がポイントになるところが素晴らしいです。
全トリックで負けることを宣言してキレイに全負けしたときの快感ったらないです。
カードゲームでありながら、しっかりとした満足感を得られる良いゲームです。
人数は5人がベスト。次点は6人でしょうか。
2位 宝石の煌き
2014年ドイツゲーム大賞ラストノミネート作品。
宝石を発掘し、加工し、お店で販売するまでを描いた拡大再生産ゲーム。
そう書くと少し難しい印象ですが、やることはシンプルなので、小学校低学年でもあそぶことは可能です。
チップの高級感が素晴らしく、まさに大人のためのゲーム。
※現在はチップの代わりの宝石も販売されており、そちらはさらに素晴らしい。
人数は2人だと詰将棋になるので、3~4人であそびましょう。
1位 チケットトゥライド~ヨーロッパ~
2004年ドイツゲーム大賞作品。通称チケライ。愛好家もたくさんいる大人気作品の一つです。
正確に言うとドイツゲーム大賞作品はチケライ~アメリカ~なのですが、その後も多くの別バージョンや拡張マップが発売されており、写真は~ヨーロッパ~のバージョンです。
美しいボードの上に、カラフルな列車が次々と配置され、線路が拡がっていく様子は何度見ても飽きません。
若干ルールは複雑になりますが、それでも是非一度は体験していただきたい名作です。
~ヨーロッパ~の場合は3人か5人プレイにして、駅舎抜きルールを推奨します。胃がキリキリする陣取り合戦を存分に味わってください。
ワイワイ部門
3位 ハンズ
ひたすらカードが示すハンドサインをして自分と同じポーズをしている人を探していくゲームです。
オンタイムで行うので、それはもうワチャワチャしてしまいますが、そこが面白いゲームです。
ハンドサインには「片手」と「両手」が存在し、誰かが「両手」のハンドサインを出したら、全プレイヤーは同じポーズをしなければならず、一番気付くのが遅かったプレイヤーがマイナスポイントとなります。もう本当にここが面白さの全てです。
ルール説明も次の3ポイントを伝えるだけで良いので楽ちんです。①「片手」カードの処理 ②同じ「片手」カードが2枚揃ってしまった時はどうするか ③「両手」カードの処理
1ゲーム10分にも満たないと思いますが、結構な疲労感を感じるでしょう(笑) 下位の数名は次のゲームで手札を1枚プラスして良い、とするとバランスが取れていきます。
ワチャワチャ感が醍醐味なので、最低でも5~6人以上であそびたい作品です。
2位 インカの黄金
インディージョーンズのBGMを流しながらプレイしたくなる作品。
いわゆるバーストゲーム(チキンレース)です。
奥に進めば進むほど、多くの宝石が狙える。しかし、同じ罠カードを2枚引いた時点でラウンド終了。その場合は、1ドルも手に入りません。
お金を手に入れるためには、「戻る」を選ぶ必要があるが、他のプレイヤーと「戻る」が被ってしまうと、数名で山分けになってしまい全然儲かりません。
ある程度進んで、他のプレイヤーが「戻る」を選ぶ前に、自分一人で「戻る」を選べば大金持ち。そんなジレンマがあります。
参加プレイヤーは「進む」か「戻る」を選ぶだけなので、とてもあそびやすいところも高評価です。
全体ルールを分かっている人が1名いれば問題ありません。良いゲームです。
もちろん、人数は多いほうが面白いです。
なお、「進む」と「戻る」のカードが非常に見づらいため、カードは使わずに他の手法を使うことをオススメします。
1位 テレストレーション
絵を描くことってこんなに楽しかったっけ?と思わされるゲームです。
一言で言えば、「お絵かき伝言ゲーム」です。
特に世にいう「画伯」がいてくれると、このゲームは神ゲーへと昇華します。もう面白いなんてもんじゃないです。
ただし、自分の画を笑われることを不快に思う人もいるので、その点は気を使わないといけませんね。
いちおう、得点計算もあって、勝ち負けも決めれるのですが、その辺は不要だと思います。わくラボでは得点計算は一切しません。
みんなで絵を描いて、大笑いする。それができるだけで十分素晴らしいゲームだと思っています。
人数は7人か8人をオススメします。多ければ多いほど、絵が乱れていきます(笑)グルグル回って、最後に何故か正解に行きついたときは感動します。
また、このゲームもインカと同じく、参加するプレイヤーはルールを覚える必要がないところも高評価です。